それでは、経営者として考えておくべきポイントを説明します。
ズバリ言って、実像が見えていないので、対策が打てないのが、社長の現実です。
1.コストの変化
コストについては、(1)増加している項目、(2)減少している項目、を探します。
コストは、必ず増加します。経験上、断言できます。人件費なら、正社員が増える、アルバイトが増える、稼働時間が増える。人が増えないときでも、基本給が増えていく。
自由化が騒がれている水道光熱費ですが、例え一時的に下がっても、結局、翌年・翌々年に甘えが出て、以前の水準に戻ってしまいます。
また、水道光熱費の負担が大きい業種であっても、何の対策も取られていないことさえあります。
販促費については、どうでしょうか?
費用対効果の見直しは、図っていますか? 実は、業種によっては販促手段の見直しで、信じられないほどの費用対効果を上げることができます。(具体例が欲しければ、直接お聞きください。)
あなたは、コストの増減に気づき、コントロールしていますか?
コストの増減に気づく方法は、具体的には以下のとおりです。
数値を細分化してください。
まず、細分化ですが、会計科目で捉えるということではなく、科目の中の細目で考えるということです。
例えば、水道光熱費なら、(1)水道代、(2)電気代、(3)ロードヒーティング代など、それぞれに分けていくわけです。
販促費なら、(1)DM、(2)チラシ、(3)インターネットのPPCなどに分けて、それぞれがどのような推移をしているかを調べます。
合計額なら、変化無しでも、分割すると、大きく変わっていることなどよくあることなのです。
販促費を月間100万円でコントロールしていたつもりでも、実質は、費用対効果の薄い媒体が増加していたのなら、売上も落ちていきます。
また、事業が複数あるのなら、可能な限り、事業ごとに分けていきます。
さらに、複数年や月間で比較してください。
実は、比較する、という行為は、コストを見直す際にまさに最強の手法で、中身は、前月比較、前年同月比較、3年の推移比較などで、カンタンに変化を見抜くことができるのです。
2.粗利益の変化
コストの次に見直すのは、粗利益です。
粗利益は、売上高と粗利益率の双方が影響します。
ですから、売上高は、客数と客単価に分割するのはもちろんのこと、粗利益率も合わせて、部門別、商品別、事業所別に整理し、それを、月間の推移と前年同月比で表し、点検します。
その中で、競合状況や、決済方法の不備、物流体制の問題点などがあぶり出されてきます。
ここで、気をつけることは、例えば、集客商品と利益を取る商品を、同次元で論じないことです。
概して、数値での点検は商売の視点が欠けるため、利益率の低い集客商品を破棄しようと考えてしまいます。
また、在庫がある場合は、在庫が結局利益率に影響があることを考慮し、在庫を数量、金額、商品ごとに分けて見直すことです。
3.資金の変化
資金繰りをラクにするためには、売掛金・受取手形を回収し、在庫を減らし、買掛金・支払手形の支払いを
遅くすることが肝心だと考えているあなた、実務はまたひと味違うものです。
売掛金・受取手形や在庫は、売上が増えているのであれば、同じ比率で増えていても問題はありませんし、増えざるを得ないのです。買掛金や支払手形も、同じ発想です。
問題は、売上の増減にリンクしない動き方をしているときです。
当然、総額だけではなく、個別の仕入れ先や得意先ごとに管理をするのは当たり前。
在庫にしても、中身の精査は必要です。
「在庫を減らせ!」この一言だけだと、売れ筋のものを減らし、滞留在庫はそのままになるので、売上が落ちていきます。
このような状況を食い止めるためには、管理部門からの情報発信が不可欠です。
営業部門が、コストや資金の状況を分かっていないのは、ある意味当たり前です。
そこで、管理部門が、経営計画とコスト・在庫の状況を元に、数値の進捗を行い、徹頭徹尾、社内を追いかけるのです。
手法としては、会議を利用する、イントラネットで開示する、などで会社全体の動きを社員に明示しつつ追いかけるのです。
これが、経営計画を元に組織を動かすコツです。
以上、数値の変化を見抜く方法などを説明してきましたが、実は、これだけでは、変化を上っ面だけで見抜いているだけです。
話はここで終わりません。2の「粗利益の変化」と3の「資金の変化」の裏側を見抜く方法を次に見ていきましょう。
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